|
|
続いては、タブラ工房での作業です。 タブラの皮には山羊の皮を使用します。
|
|
山羊の皮を薄くなめして乾燥させてもの。薄いです。
|
|
山羊の皮をタブラに必要な分だけ型をとり裁断します。 裁断したものをしばらくの間、水につけこみ柔らかくします。
|
|
水につけて柔らかくなった皮をなめしていきます。
|
|
パーツに切った皮をなめし、ボディにセットしていきます。
|
|
山羊皮は 3枚重ねます。 お土産用のタブラは 2枚のものか多いです。 演奏用に使う場合、この1枚の差は大きく、ボディの口の部分は特に負荷が掛かるので、 さらに歯切れの皮をあてて強度を上げます。
|
|
少しづつタブラのかたちになっています。
|
|
周りを革紐で編みこんでいきます。 革紐は、牛皮です。
らくだの皮という説もありますが、ラージャスターン州など一部地域だけではないでしょうか。 ムンバイの業者に確認したところ、牛皮ということでした。
牛は信仰の対象でもあるので、らくだの皮 と言うのかもしれません。
牛と言えば、インドは牛の骨が原料のゼラチン生産がさかんで、食用や薬のカプセルにも使われています。 インド人は知らずに神格化された牛を摂取しているということです。
まさに、知らぬが仏です。
|
|
ここまででタブラスキンの輪郭は完成です。
|
|
タブラ工房の周りには、野良犬がたむろしているのをよく見かけます。
|
|
なぜかと言うと、貴重な食料にありつけるからです。 栄養価はさておき、野良犬にとって劣悪な環境のインドでは、 確実に食料を確保できる環境はありがたいのだと思う。
|
|
皮の土台が完成したら、真ん中の黒い部分、シャヒィの制作です。 バラナシのシャヒィは、鉄粉(または石粉)とチャパティを混ぜて作ります。 カルカッタではチャパティの代わりに米を使います。
チャパティは全粒粉でできたパンです。胚芽を取ってない粉が全粒粉。 胚芽を取ったら小麦粉になります。
チャパティや米を使うのは糊の役目です。
|
|
何層にもシャヒィを塗り、階層を重ねて仕上げていきます。 ローリーで1層づつ仕上げて、最終的にはゆるやかな山のようになります。
|
|
シャヒィをグッと擦りつけて固めていく道具をローリーと言います。 皮やシャヒィを傷つけないように、少しづつ何層にもシャヒィを重ねて仕上げます。
|
|
ローリーでシャヒィを擦っていると、磨かれたような光沢がでてきます。
|
|
シャヒィが仕上がれば、だいたい完成。 チャーティーの皮が反り返っていると演奏するときに邪魔なので、邪魔な部分は切ります。 ちょうど良い幅に修正していきます。
|
|
チャーティーとラウの間に綿糸を入れて微妙な空間を作ります。 これで音の伸びが格段に良くなります。 皮の表面の汚れた部分を、ヤスリ掛けしてきれいにします。 チューニングをしたら完成。
|
|
タブラの完成。
|